●「阪急電車」 著者:有川浩 幻冬舎 2008年1月

大好きな有川さんの作品。
8駅からなる阪急電鉄今津線の乗客を舞台にした作品。
短編集的であるが、各編の乗客が互いにクロスしていて、
ストーリーの概要を内容を書きづらいですが、
とても面白かったです。
恋の始まりあり、別れあり。
ちょっとした人生を垣間見たような気がします。
話の中に高知の地酒(土佐鶴、酔鯨、桂月)の名前が出てきて
なんか、うれしかったです。
今津線沿線の駅を知っていればもっと楽しめたのになぁ
と思いました。
●「最後の恋」 著者:阿川佐和子ほか 新潮社 2005年12月

8人の女流作家の恋愛短編集です。
春太の毎日(三浦しをん)/ヒトリシズカ(谷村志穂)/
海辺食堂の姉妹(阿川佐和子)/スケジュール(沢村凛)/
LAST LOVE(柴田よしき)/わたしは鏡(松尾由美)/
キープ(乃南アサ)/おかえりなさい(角田光代)
○春太の毎日(三浦しをん)
主人公は犬(?)の春太(ネコではなく、おそらく犬だと思う。)
春太は飼い主の麻子の事が大好き。なので、麻子の恋人である
米倉に嫉妬をしている。。。
犬の気持ちを擬人的に表現していて、ほのぼのとした
心温まるストーリーです。
○ヒトリシズカ(谷村志穂)
主人公・吉村瑞江の彼・高梨留木(るき)は世界の山に登るカ
メラマン。年に数回しか、家に戻る事はない。
写真や自然に興味がない瑞江であったが、
彼が出かけている間、瑞江は、北海道に滞在し、自然の写真を
撮る様になっていた。留木が帰ってきたときに、瑞江がどの様に
過ごしていたかを理解してもらう為だった。
一年に一度、彼が必ず帰ってくる日がある。
その日に瑞江は札幌発羽田行きの飛行機に乗っていた。
浮き足立つ心。これで何度目のフライトだろう。
部屋にたどり着くと、留木の母からも電話がかかってくる。
丁寧にあいさつする瑞江。
その様子を銀のフレームの中から留木は見ているのだった。
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ちょっと悲しいストーリーでしたが、ジンとくるものがあり、
よかったです。なんか、感動しました。
○海辺食堂の姉妹(阿川佐和子)
海辺にある両親が開いた食堂を切り盛りする姉妹。
姉は明るく、人付き合いも良く、店のフロアで客対応をする。
一方妹は内気で、口数も少なく、台所で料理の担当をしている。
ある日、両親が相次いで他界。そのショックで妹が寝込んで
しまう。
姉は内気な性格の妹の事が心配で、妹を残してヨメに行くのは…
と思っていた。自分は妹に比べてば、美人だし、人付き合いも
それなりにこなすことができるので、大丈夫だと思っていた。
しかし、妹が寝込むと、店の常連客が二人と町の靴屋の男が
相次いで妹を心配で尋ねてきた。
驚く、姉。いつの間に妹はそんな付き合いをしていたのか?
最後に尋ねてきたのは常連客である銀行員。
姉は妹にその銀行員を薦めていた。
てっきり、その銀行員も妹の事を心配して尋ねてきたのだと思う
姉は、冷たい態度をとる。
しかし、その銀行員は姉を心配して尋ねてきたのであった…。
○スケジュール(沢村凛)
主人公の妙はスケジューリングが上手。
幼い頃から、もらったチョコレートを計画的に食べたり、夏休みの宿題も
自分が立てた計画通りに済ませてしまう性格であった。
OLになり、自分の人生も「24歳で結婚相手と知りあい、25歳で結婚を
する。もし、その計画が実行できないのであれば、1歳づつ引き上げて
いく。」という予定を立てていた。
妙のスケジュールは完璧に実行され、、予定通りに結婚相手を見つけ、
後は結婚するばかりとなった。
計画通りのはずだった。
しかし、女友達と飲みに行った時、女友達の従兄弟グループと一緒に
飲む事になり、その中の男性に恋に落ちてしまう。
妙は「天音妙、24才です」と自己紹介する。。。
○LAST LOVE(柴田よしき)
通販会社に勤める真由美は30歳代で係長の席についた。
コンパで知り合った沢本はTV会社に勤務し、5年の付き合いになっていた。
結婚を意識しはじめたとき、沢本から「自分はバツ一、かつ、真由美以外に
好きな女性がいる。決して二股というわけではなく、自分の片想い。
この恋が最後の恋だと思っている」と告白される。
「最後の恋だって!?自分はブービー賞なのか!!」
と怒り狂う真由美。
それから仕事に打ち込み、成果もあげるが、何かむなしい…。
そんな中、父親の知りあいの高橋という病理研究をする
サラリーマン医師と見合いをする。
あまり乗り気ではないが、結婚をすれば好きになるだろう
という気持ちの真由美。
そんな中、沢本が離婚したという噂を耳にする。
沢本の最後の恋がどうなったのかが気になる真由美。
真相を知りたくて沢本を呼び出すが。。。
○わたしは鏡(松尾由美)
大学の文芸部で編集長をすることになった比呂。
部で発行する会誌の原稿を部員から集め、編集する任務。
もう少しで締め切りという時、ロッカーに匿名の原稿が入れられていた。
美容院の鏡の気持ちを描いた作品。
いったいだれがこの原稿を書いたのか?。。。
○キープ(乃南アサ)
15歳の時の恋を引きずり、本気の恋愛が出来ない35歳のOL。
結婚はしてみたものの5年で破綻。会社では係長の座についたものの
上司も部下も使えない人間ばかりで、辟易していた。
今日も、ボトルをキープしているバーでマスターを相手に愚痴ってみる。
15歳の時の恋の呪縛は解けないのか。
ある日、部下の男性社員から、「もう少し、ちゃんと僕の方を見てくれても
いいんじゃないですか。」と言われ、動揺している自分に気づく。
このバーでボトルをキープするのも最後かもしれない。。。
○おかえりなさい(角田光代)
主人公の大学生はボロアパートに住み、バイト代も映画や本や飲み代に
消えていた。憧れの1歳年上の女学生とのデート費用を捻出するために
同じアパートに住む草加部という男から宗教のパンフレットを配る
バイトを引き受ける。
ある町で尋ねた家には老婆が住んでいて、彼を快く迎え入れてくれた。
老婆はぼけてしまって彼をだれかと間違えている様で、ビールや手料
理で彼をもてなしてくれた。
彼が帰ろうとすると「また、きてくださるか?」と尋ねた。
そうして、彼は老婆の家に通う様になった。
彼は、老婆のビールや手料理でとてもくつろいだ時間をすごすことが
できた。
こういう時間に彼はあこがれていたのだ。
~という昔話を明日、離婚する妻に話した。

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