●「恋のトビラ」 著者:石田衣良 /角田光代ほか 集英社 2008年5月

5作家の恋愛アンソロジー。
トータル的に見て、よい作品集さと思います。
ドラゴン&フラワー(石田衣良)/卒業旅行(角田光代)/
Flying Guts(嶽本野ばら)/初恋(島本理生)/
本物の恋(森絵都) 感想
・ドラゴン&フラワー(石田衣良)
もうそろそろ二十歳を迎えようとするバージンの女子大生・透子。
男の子にもてようと、スカートを履き続け、女の子らしい格好を
しているにもかかわらず、何故か彼氏ができない。
そんな中、所属するB級グルメのサークルの先輩・龍児が透子に
近づいてくる。龍児は女癖が悪いと噂がたっているヤツ。
絶対にこんな男にひっかかりたくないと警戒していた透子であるが…。
・卒業旅行(角田光代)
主人公は短大の3人仲良し組の女の子の一人。
3人でネパールに卒業旅行に出かける。最初は3人一緒に行動を
していたが、そのうち別行動をとることになる。
あとの2人は朝早くから行きたい所に行き、ホテルに戻ってくると
バタンキューで寝てしまうのだが、主人公は日本との環境の違いに
圧倒され、ホテルの部屋で過ごしたり。。。
他の二人と同じ過ごし方をしてきたはずなのに、自分だっけとり
のこされた気分になり、自分に自信がなくなっていた。
しかし、ホテルの窓から、ヒラタという日本人男性の旅行者を
見かける。
彼と話をし、自分に自信を取り戻す主人公であった。
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ヒラタさんのセリフで
「動けなくなったら、目を見開いてただ見るんだ。ずっと見ていると、
そのは知った場所になる。知った場所になれば、どう動き出せば
いいかがだんだんわかってくる。何があってもおれらはなんにも
なくさないってことが、わかってくる」
というのが、印象に残りました。
この言葉はどんな事にも通じる様な気がします。
・Flying Guts(嶽本野ばら)
文調が丁寧語の過去形で書かれているのが、珍しくてイイ感じが
します。
「下妻物語」も嶽本さんの作品らしい。ほかの作品も読んでみたいです。
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ビデオを予約していたら、番組の変更があって撮れていなかったり、
10分早く退社したために、自分が気になる人がいる飲み会に出席
できなかったりとなにかと運が悪い主人公。
でも、となりの部署の企画部に気になる男性が。。。
彼女の未来はどうなるのか?素敵な恋にめぐりあえるのか!?
・初恋(島本理生)
高校生の主人公は、16歳。夏に2歳年上の男性と恋に落ちる。
彼のアパートに通う主人公。彼の体に大きな傷跡があることを知る。
傷の理由は、海で泳いでいて珊瑚で切ったという。
ある日、彼は「ずっと探していた人が見つかった」といい、主人公の
前から姿を消してしまう。
彼が探していた人物とは、彼の父親であり、彼の傷はおそらく父親
から受けたもの。
彼は、父親を刺し、バイクで逃走中に事故で亡くなってしまった。
忘れる事ができない初恋。
・本物の恋(森絵都)
エンディングが予想外で、このストーリーが一番面白かったです。
祭りの夜、まったく異なる相手を見つめ続けた二人。
なにかこっけいな話でありますが、お互いにハッピーエンド♪と
いうところがイイです。
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祭りの夜に、突然、見知らぬ男から「少しの時間でいいので
カモフラージュの為に彼女を装ってほしい」と言われる女子高生が
主人公。
主人公は、彼氏に二股をかけられ、げんなりしていたところで、
流れのままニセ彼女役をOKする。
彼が見つめる先には、あるカップルがあり、女性は妊娠している。
彼の元恋人なのか?
恋心を断ち切る為に、声をかけずに黙って見続けている彼で
あったが、男性がトイレに行っているとき、人にぶつかった女性が
よろめき、倒れてしまう。
お腹をかばう様に倒れた女性。それを抱きかかえる彼。
ちょうどそのとき、トイレから戻ってきた男性。
その場に流れる気まずい雰囲気。
主人公は、彼女のふりをして、彼に声をかけ、その場を取り繕った。
そのカップルを見届け終わった彼は、場所もはばからず、主人公の
事も忘れて号泣した。声をあげて。
そのまま、その男性とも別れてしまった主人公であったが、
その夜の出来事が忘れられずにいた。
本物の恋とはこういうものなのだろう。
その後、主人公も、本物の恋を見つけ、今はお腹の中に
新しい命が芽生えている。
彼に出会わなければ、今の旦那との素敵な恋もできなかった
だろう。。。
偶然、8年ぶりにその男性を喫茶店でみかけ、声をかける。
彼は恋人と待ち合わせだという。
主人公も、仕事の打ち合わせがあるので、その場を
離れようとすると、そこに近づいてきた恋人は、、、、
男性であった。。。

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