●「Story Seller」 著者:伊坂幸太郎、有川浩他 新潮社 2009年2月

~楽天ブックスの商品説明より引用~
これぞ「物語」のドリームチーム。
日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り
小説で競演!短編並の長さで読み応えは長編並、という
作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。
どこから読んでも、極上の読書体験が待つことをお約束
します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会い
を探すも良し。
著作リストも完備して、新規開拓の入門書としても最適。
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・首折り男の周辺(伊坂幸太郎)
請負い殺人を行う男(首折り男)。
その男に間違えられる気弱な男・小笠原稔、
クラスメイトからいじめられている中学生・安永純平・智子、
奥さんが先物取引で大損失を出し、家を売った夫婦・安永純平・智子、
の3方向からの視点です。
小笠原は首折り男に間違えられる気弱な男のままなのか?
いじめられている少年はこのままいじめられ続けるのか?
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伊坂作品らしく、複数の人間の視点から物語は進みます。
おもしろかったです。
ストーリーとは直接関係がありませんが、人が怒りだす前に
別の人が怒ると、他の人が怒れなくなるという心理が
おもしろかったです。
・プロトンの中の孤独(近藤史恵)
自転車のロードレーサーの話。
自転車という世界があまり身近ではないので、親身に
なって読みすすめることができませんでしたが、作風的には好きな
感じです。
・ストーリー・セラー(有川浩)
”致死性脳劣化症候群”は脳を使う(考える)と、どんどん脳が
劣化していき、最終的には死に至ってしまうという病気。
彼女以外に、その難病にかかってしまった人物はいない。
彼女の職業は作家。考えずして作品は生まれない。
彼女と彼女を支える夫の話。
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さすが、有川さん!
とても感動的なストーリーです。
主人公の彼女の男らしさ(?)が格好いいです。
「猫剥げかけ」という言葉が印象的です。
今度9月から、地元新聞紙で有川さんの連載が始まります。
とても楽しみです。
・玉野五十鈴の誉れ(米澤穂信)
純香は田舎に住む旧家の一人娘のお嬢様。
純香の母も一人娘。香代の母は婿をもらい家を存続させ
ようとしったが、男の子に恵まれない。
家では祖母が権威を振るっており、娘(純香の母)ですら祖母に
頭があがらない。
純香が15歳になったとき、玉野五十鈴という使用人が純香の
身の回りの世話をするようになる。
五十鈴は香代と同い年。外部の人間と接する機会を祖母に
奪われていた純香は五十鈴との生活が楽しくてたまらなかった。
しかし、純香の父の兄弟が殺人事件を起こすことで、父母は離婚
させられ、純香も表に出れない様に幽閉されてしまう。。。
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正直、怖い話です。なぜか、犬神家の一族が頭に浮かびました。
(単なる旧家で大きい家ということから。)
祖母の純香への仕打ちがひどく、純香は祖母に殺されそうに
なります。その描写もちょっと残酷です。
純香が殺されそうになるのを救ったのはおそらく五十鈴なので
すが、救い方がちょっと残酷です。
また文学的な引用が多いです。
・333のテッペン(佐藤友哉)
東京タワーの天辺で死体が発見される。
いったい誰が何の為に、死体をそんなところに置いたのか?
・光の箱(道尾秀介)
圭介は小学校のころからいじめられていて、中学になっても
そのいじめは変わらなかった。
そのいじめを忘れるために、絵本の文章の様な話を書くのが
好きであった。
中学校で知り合った同級生弥生は絵を書くのが得意。
二人は協力して絵本を作成する。
同じ高校に進学した二人であった共通の友達である夏実が
恥かしめられる事件がおき、夏実は転校してしまった。
圭介は、それが弥生の仕業と思い込みギクシャクした関係に
なる。
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おもしろい部類の作風でした。
最後もHappyEndで良かったです。
・ここじゃない場所(本多孝好)
主人公の女子高生はリナは学校にも友人との付き会いにも
辟易していた。
ある日、同じクラスの秋山が交通事故にあいそうになった
少年をテレポーテーションで助けたのを目撃する。
秋山が再度、消えたり現れたりするのを見たくて、彼を
観察するが、クラスメイトからはリナが秋山を好きだという
うわさが広がる。
それでもリナは秋山の素性を知りたくて、後をつけたりし、
本意ではない恋の告白までした。
そんな中、リナの家の前にむごい姿で殺されたネコの
死体が置かれたり、リナを盗撮した画像がメールで届く。
その嫌がらせを秋山からの仕返しだと思うリナであったが、
秋山ではないらしい。
いったい誰の仕業なのか?それと秋山は本当にテレポー
テーションをすることができるのか?
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この話もなかなかおもしろかったです。
リナの奇想天外の思い込みに若干の無理が
ある様な気がしますが、話の展開自体が気になり、どんどん
読み進めることができました。

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