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2016.09.29

最近読んだ本一覧473

●「真贋」 著者:今野敏  双葉社 2016年6月
    

  ~楽天ブックスの商品説明から引用~
    盗犯を担当する警視庁捜査三課の
    ベテラン刑事・萩尾と、その部下の
    女性刑事・秋穂。テレビドラマ化も
    された話題作『確証』で活躍した
    刑事達が帰ってきた!
    窃盗事件の報に臨場する萩尾と秋穂。
    その手口を見て、常習窃盗犯・ダケ松
    の仕業だと見抜く。やがて、ダケ松が
    逮捕される。面会した萩尾は、その
    供述に疑問を持つ。どうやらダケ松
    には弟子がいるらしい……。
    国宝が展示される陶磁器展が絡み、
    二転三転する捜査。果たして
    真犯人は?その手口は?
    錬達の警察小説。

    “盗犯捜査の職人”警視庁捜査三課の
    萩尾が、相棒の秋穂とともに
    “盗みの職人”に対峙する人気シリーズ、
    待望の第二弾!

  -----
  主人公は第三課の萩尾秀一と、相棒の若手女性刑事
  武田秋穂。

  今回は、目黒の住宅地で窃盗があり、その手口は
  松井栄太郎(通称:ダケ松)の手口であると萩尾
  は断定。
  しかし、萩尾はダケ松の仕業ではなく、ダケ松の
  弟子の仕業ではないかと予測する。

  同時期に渋谷のデパートで「中国陶磁器の歴史展」
  が開かれる予定で、国宝である「曜変天目茶碗」が
  展示されることになっている。

  その茶碗を誰かが盗み出し、故買屋の板垣長治
  (八つ屋長治)が海外に売り飛ばそうとしている
  という話を萩尾が聞きつける。

  デパート側では完全な警備をしているため、
  曜変天目を所蔵している博物館で
  キュレーターをしている音川理一がダケ松の
  弟子で、盗み出そうをしている犯人では
  ないかと…?

  知能犯を扱い二課の舎人真三警部補(35歳)
  がキュレーターの資格を持っていて、本物か
  偽物かを鑑定したりと、単なる窃盗事件では
  なく、美術に関する見聞も広がって、
  楽しかったです。

  3時間ほどで読んでしまいました。

  ちなみに質屋のことを「七つ屋」というそうです。
  八つ屋長治は七つ屋の一つ上をいくので、
  「八つ屋」と呼ばれているということ。
  なるほど。勉強になりました。


●「よっつ屋根の下」 著者:大崎梢  光文社 2016年8月
    

  ~楽天ブックスの商品説明から引用~
    勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、
    犬吠の地方病院に飛ばされた父。
    製薬会社に関係の深い実家を気にして、
    父についていこうとしない母。
    都会暮らしが好きなのに、父をひとり
    にできなくて、ついていったぼく。
    お母さんを責めないで!と言いながら、
    密かに自分を責めていた妹。
    たとえ自分は離れても、いつまでも
    そこにあってほしい、ぼくたちの
    「家」。それは、わがままだろうか。
    家族でいるのが大変な時代の、
    親子四人の物語。

    【目次】
    海に吠える/君は青い花/川と小石/
    寄り道タペストリー/ひとつ空の下

  -----
  第一章は、息子・平山史彰の話。
  小学6年生の時に父と二人で銚子に
  引っ越してくる。
  この話は「最近読んだ本一覧417」の
  「Wonderful Story」で既読。

  第二章、父・平山滋の話。
  医大時代から妻となる・華奈に出会い、結婚し、
  銚子に左遷され、現在まで。

  第三章は、母・平山華奈の話。
  中学生から、高校を経て、滋と結婚し、
  別居中の現在まで。

  第四章は、娘・平山麻莉香の話。
  高校時代の話がメイン。

  第五章は、みんなが主人公。
  離ればなれと思われた家族が
  実は、奥深いところで結ばれているという
  ことが実感できる話。

  ほんわかしていて、とてもよい
  ストーリーでした。


●「あしたの君へ」 著者:柚月裕子  文藝春秋 2016年7月
    

  ~楽天ブックスの商品説明から引用~
    家庭裁判所調査官の仕事は、
    少年事件や離婚問題の背景を調査し、
    解決に導くこと。
    見習いの家裁調査官補は、先輩から、
    親しみを込めて「カンポちゃん」と
    呼ばれる。「カンポちゃん」の
    望月大地は、少年少女との面接、
    事件の調査、離婚調停の立ち会いと、
    実際に案件を担当するが、思い通りに
    いかずに自信を失うことばかり。
    それでも日々、葛藤を繰り返しながら、
    一人前の家裁調査官を目指す-

    【目次】
    背負う者(一七歳 友里)/
    抱かれる者(一六歳 潤)/
    縋がる者(二十三歳 理沙)/
    責める者(三十五歳 可南子)/
    迷う者(十歳 悠真)

  -----
  主人公の望月大地(23歳)は静岡出身。
  養成課程研修の前期合同研修後、
  実務研修で九州の福森市の福森家裁に
  配属された。

  同期は藤代美由紀、志水貴志。
  まずは少年事件担当で、先輩の
  溝内圭祐(35歳)のアドバイスを
  受けながら任務を遂行する。
  上席は総括主任・真鍋恭子(43歳)

  「背負う者」は窃盗で捕まった
  鈴川友里(17歳)。
  高校には通っておらず、同じく高校に
  通っていない妹と、働いても長続き
  しない母とネットカフェで暮らしている。
  コンビニでバイトをして、どのほかにも
  バイトをしていたようだが、なぜ
  窃盗を行ったのか。
  背景に妹が通う心療内科の支払いが
  あった。

  「抱かれる者」は地元では優秀とされる
  高校に通う星野潤(16歳)がストーカー
  で捕まった。
  母も名家出身で、有名国立大学を卒業し、
  父も地元銀行で支店長をしている。

  潤も優等生と思われていたが、学校での
  成績は思わしくないし、家庭も円満と思いきや、
  父母は5年間別居をし、父には別の女性がいた。

  彼の強い劣等感は自己批判、さらには母親の
  過剰な期待がストーカーを起こさせたと思われる。

  「縋がる者」は事件とは関係なく、
  大地の同級生の話。
  年末年始の休暇で久々に実家に帰った大地。
  母・香苗、4歳上の兄・大洋(漁師)、
  2歳下の妹・夏美(看護学生)の住む家に
  戻る。父・耕太郎は漁師であったが、
  6年前に脳溢血で他界していた。

  大地は自分が家裁調査官にむいていないの
  では、ないかと悩んでいた。

  そんな中、久々に同級生と飲む大地。
  その中には大地が思いを寄せていた
  理沙もいた。
  理沙は20歳のときに6歳上の設計士と
  結婚、2歳半の息子がいる。
  しかし夫の不貞により離婚。
  実家も資産家の夫は祖父母の健在で、
  息子の親権を争っているという。

  理沙は担当している家裁調査官の言葉に
  勇気をもらい、親権を争うことにしたいう。
  理沙の言葉で、福森市に戻って仕事を
  続けようと思う大地であった。

  「責める者」は離婚調停の話。
  少年事件担当から家事事件担当に
  変わり、先輩・露木千賀子(32歳)は、
  の下に着くことになる。露木は溝内と
  同期で切れる家裁調査官。

  朝井可南子(35歳)は夫・駿一(40歳)
  との離婚を申し出た。
  子どもはいないが、夫はゴミ出しや洗濯物干し、
  買い物のも付き合ったりととてもよい夫だと
  周りから言われている。
  しかし、可南子は夫が原因で精神科に通うように
  なった。
  家庭内に潜む、モラルハラスメントを
  題材にした話。

  「迷う者」は離婚調停+親権争いの話
  片岡朋美(35歳)は夫・信夫との
  離婚を申し出て、悠真(10歳)の親権も
  要求した。
  信夫は実家で父母と悠真と暮らしていて、
  こちらも親権を要求した。

  悠真の気持ちが大事ということが争点と
  されるが…。

  調べていくと、朋美には交際中の男性がいて、
  実は悠真はその男性との子供だという。
  信夫にも黙っているつもりだったが、
  血が重要というなら、自分達カップルと
  悠真が一緒に住む方がよいと主張。

  しかし、信夫は、自分に子どもを作る
  能力がないことが分かっていて、
  悠真が自分の実子ではないことを
  知っていた。

  これらの事実を知り、双方歩み寄りを
  見せた。
  (結論は語られていない。)

  --
  家裁調査官がどのように調査をし、
  どこで落としどころを見つけるの
  かが面白かったです。


●「陸王」 著者:池井戸潤  集英社 2016年7月
    

  ~楽天ブックスの商品説明から引用~
    勝利を、信じろ--。
    足袋作り百年の老舗が、
    ランニングシューズに挑む。

    埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、
    百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。
    といっても、その実態は従業員二十名の
    零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、
    銀行から融資を引き出すのにも苦労する
    日々を送っていた。
    そんなある日、宮沢はふとしたことから
    新たな事業計画を思いつく。長年培って
    きた足袋業者のノウハウを生かした
    ランニングシューズを開発してはどうか。
    社内にプロジェクトチームを立ち上げ、
    開発に着手する宮沢。しかし、その前
    には様々な障壁が立ちはだかる。
    資金難、素材探し、困難を極める
    ソール(靴底)開発、大手シューズ
    メーカーの妨害--。
    チームワーク、ものづくりへの情熱、
    そして仲間との熱い結びつきで難局に
    立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。
    はたして、彼らに未来はあるのか?

  -----
  池井戸節満載のストーリーでした。
  老舗の足袋会社(職人肌)、銀行、
  大手競合会社、特許問題。

  アッという間に読んでしまいました。
  対決姿勢より、社員同士のつながりや
  人情みたいなものが伝わってきて、
  とてもよかったです。


●「揺らぐ街」 著者:熊谷達也  光文社 2016年8月
    

  ~楽天ブックスの商品説明から引用~
    東京で東日本大震災に遭遇し、
    テレビに映る被災地の映像に
    激しい衝撃を受けた文芸編集者の
    山下亜依子は、編集長の小暮から、
    被災地である仙河海市出身の
    作家・武山洋嗣に原稿を依頼
    できないかと持ちかけられる。
    武山のことはデビュー時に
    担当していたものの、本を一冊
    出したきり、三年前から音信不通に
    なっていた。その武山に、
    こんなタイミングで、執筆の
    依頼などしていいものか。
    一方、震災以後、書けなく
    なってしまっていた担当作家
    の桜城葵からは、新作の取材の
    ために仙河海市に入りたいと
    持ちかけられて…。

  -----
  主人公は山下亜依子(1995年入社)
  東日本大震災後、編集長・小暮のアイデアで
  仙河海市出身の作家・武山洋嗣(作家では
  「ようじ」本名は「ひろつぐ」)に本を
  書いてもらおうとする。
  武山は経済小説を得意とし、7年前、仙台の
  大学に通う4年の時、デビューしたが
  1冊出版しただけで。
  学校の臨時職員として働いていたので、
  仕事と正職員試験とで忙しく、本を書けず、
  その後、音信不通となっていた。

  武山の行方を捜すため、仙河海市を訪問。
  そこで、亜依子が3年3か月前まで2年間
  付き合っていた川島聡太(仙河海市出身)と
  偶然再会。
  さらに、武山が川島と同じ予備校の講師を
  していたこともあり、武山に連絡を
  取ることができた。
  そして、武山を説得し、本を書いて
  もらうことに。

  亜依子が担当している桜城葵という作家も
  絡みながら、
  震災と作家、編集者の本作りを描いた作品です。
  最後は武山が芥川賞(作品中では「A賞」と
  記載されている)ところでおしまい。

  武山は熊谷さん自分自身をモデルに
  しているのではないかと思います。
  作品中に登場する「仙賀崎」は
  「希望の海 仙河海叙景」っぽいし。

  武山や桜城葵が語る震災をテーマに
  した作品への思いも熊谷さんの思い
  なんだろうな、と思います。

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