●「I love you」 著者:伊坂幸太郎他 祥伝社 2005年7月

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今、最も旬な男性作家たちが競作。初めて異性を意識した頃、
距離感を感じたとき、別れを予感したとき…。
恋愛には物語があり、その断片から生まれる一瞬を、繊細に
紡ぎだしていく。
「魔法のボタン」「卒業写真」など、ディテールも胸をゆさぶる
至高の恋愛アンソロジー。
6人の男性作家による恋愛短編。
伊坂さんの話はハードボイルド的な作品が多く(と思っている。)
恋愛小説を読んだことがないいので、手に取りました。
伊坂幸太郎と石田衣良以外の作家さんは知りませんでした。
市川拓司は「いま、会いにゆきます」の作者。
・透明ポーラーベア(伊坂幸太郎)
主人公・優樹と千穂は付き合って2年。東北地方に住んでいるのだが、
近々、優樹が関西勤務をすることが決定しているが、千穂も地元で
仕事をしているので、2人の将来について悩んでいる最中であった。
千穂と動物園に行った優樹は、その動物園で優樹の姉のかつての
恋人であった富樫に偶然に再会。
5年ぶりの再会で、富樫も彼女を連れていた。
富樫は姉の最後の恋人であった。
優樹は何人かの姉の彼氏を知っているが、姉は彼氏と別れると
必ず、どこかに旅行する習慣があった。
富樫と別れた後に、南極に大好きな北極クマを見に行くと
行って家を出たまま、帰らぬ人となってしまった姉。
自分と姉の彼氏という繋がりは、いくらよい関係を築いていても
あっという間にその繋がりなんて消えてしまう----。
人と人とのつながりについて描かれた作品で、
はっきりとしたエンディングがある話ではないのですが、
何か心が温まる様な感じがしました。
ちなみに、北極クマの毛の色は、白ではなく、透明らしいです。
・魔法のボタン(石田衣良)
人間には、2つのボタンがあって、
肩の骨の先にあるでぱったところの部分(ボタン?)で、
右肩のボタンを押すとその子は透明人間になり、左肩の
ボタンを押すとその子の体は石になるという。
主人公の隆介と萌枝は幼稚園からの幼なじみで、その
幼稚園では、「魔法のボタン」ごっこが流行っていた。
二人は中学生まで同じ学校で、高校は別々の学校に通ったが
大学で再会した。今は25歳。
隆介は先日、失恋をし、落ち込んでいた。そんなときに話を聞いて
一緒に呑んでくれるのが萌枝。
この失恋話がきっかけで、度々会う様になる二人。
これまで、幼馴染としてしか考えなかった二人だが、お互いに
恋愛対象として意識し始める----。
この作品、かなりイイです。
まりあの評価は高いです。
告白のシーンに「魔法のボタン」のことが使われていて、
甘々な感じが有川浩さんの様で、顔がにやついてしまいま
した。(*^_^*)
・卒業写真(市川拓司)
主人公・木内は、食品メーカーに勤めていたが、今はフリーター。
眼鏡がトレードマークになっている。
ある日、スタバで中学生の同級生・渡辺くんに声をかけられる。
9年ぶりの再会。
しかし、木内は、クラスに二人いた渡辺くんを混同していた----。
・百瀬、こっちを向いて(中田永一)
主人公のノボルは高校1年生。外見もパッとせず、社交性もないので、
自分自身を人間レベルを2と設定している。
幼馴染の宮崎先輩はバスケットボール部のヒーロー。宮崎先輩の
彼女・神林先輩は学内一の美人と言われ、かつ資産家のお嬢様。
二人は、人間レベル90以上。
宮崎は、隠れて付き合っている百瀬という女生徒がいたが、カモ
フラージュの為に、ノボルが百瀬と付き合っているというフリを
してくれないかと頼まれ、それを引き受ける。
ノボルにとって宮崎は憧れであり、命の恩人でもあったので。
4人でダブルデートに出かけたりし、ノボルは演技とは分かってい
ながらも百瀬の事が気になりだす。しかし、自分は人間レベルが
2なので、本気になってはいけないと心にブレーキをかけてい
た----。
ううーーん。宮崎先輩の都合の良さ、そして、高校生でそこまで
考えるか?という感じがします。
本気で好きな百瀬と別れて父親の家業の立て直す資金をGet
するために資産家の娘と付き合う、そして結婚する。
つまらなくはない話ですが、ちょっと腑に落ちませんでした。
・突き抜けろ(中村航)
大学生の大野は、付き合い出した当初は、一般的な付き
合い方をしていたが、常に相手のことを考え、常に一緒に
いるという付き合い方をしていると長続きしないのではな
いかと思い、「週に3回、変わりばんこで電話を掛け合い、
週末に週に1度デートをする」というルールを設定すること
で適度でイイ付き合いをしている。
大野はその空いた時間に同級生の坂本ち一緒に木戸と
いう先輩のアパートに出入りする様になり、そこで、恋愛
や人生に対して、いろいろと考える----。
恋愛小説というより、青春小説の様な印象を受けました。
・Sidewalk Talk(本多孝好)
離婚を決めた僕と彼女。(二人ともアラサー。)
大学時代から付き合い、結婚生活は5年過ごした。
彼女はアジアのマーケットに関する仕事、僕は工務店で
設計をしている。
彼女の仕事は忙しく、今日で最後という日にも遅刻をし
てきた。
大学時代はいつも5分前には到着していて、遅刻なんて
しなかった彼女であったが、就職してからは約束の時間丁度に
来る様になり、5分、10分と遅れる様になってきた。
しかし、彼女は、遅刻をしても言い訳がましいことをしたことも
ない。その潔さが昔は好ましかったが、今では疎ましいものに
なってしまった。
(彼女は仕事に関するグチも言わない。でもそれは僕が上手に
聞いてあげられなかったせいかもしれない。
今度は、上手に話を聞いてあげられる男性に出会って欲しい
と願う。)
予約していたレストランで食事をする二人。
最初は思い出話をしていたが、そのうちに話題もなくなってきた。
別れの時間が近づいてきた。
会計をすませていると、僕の横を彼女が通り過ぎた。
そのとき、ふと懐かしい香りがした。
それは、二人が初めて一緒に朝を迎えたときに、彼女が「今後
喧嘩をして私が素直に謝れないことがあると思う。そのときは
この香りを付けておくから、今日のことを思い出して。そして、
心の中で一生懸命に謝っているんだと思って」と言っていた。
店を出ると綺麗な満月が出ていた。
僕は、「もうすこしだけ、歩かない?」と声をかける。
「いいね」と答える彼女。
この話、いいです。
なんか、ジンとくるものがありました。
二人の出会いのエピソードもよかった。
(彼女が別の男子学生から、誕生日のプレゼントに高価な
ネックレスを贈られようとしていた。明らかに困惑している彼女。
受け取る、受け取らないの押し問答が続いているなか、その
様子を見ていた僕が、道端の花を1本取ってきて、
「(この花)安物だけど。」と差し出し、「この花とそのネックレス
は二人からのプレゼントということにしといて。そうすれば半額
にはなるから。」と僕。最終的に、彼女は「じゃあ、二人からの
プレゼントということで受け取っておく。」と言い、ネックレスの箱は
つきかえし、花を手に取っていた。)
結局、二人はレストランを出た後、単なる”散歩”をして別れた
のか、それとも、再度二人で人生を歩み出したのか、どっちな
のか気になるところです。
●「化けの皮」 著者:にしおかすみこ ゴマブックス 2008年3月

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どMのおじさん数人に囲まれ。
ひとりが「最近、TVで“どMです”とか言ってますよね」と。
私「…はい」おじさん「本当ですか?」
―TVでは観られない、にしおかすみこの時に可笑しく、
時に切ない、本音エッセイ集。
最近小説ばかり読んでいたので、さっと読めそう
なものを借りてみました。
予想通り、2、3時間で読んでしまいましたが…。
ブログに書いている記事を本にしているので、ブログで
読んだことのある内容もありました。
SM女王なんだけど、彼女の繊細さややさしさなどが伝わってくる
エッセイです。

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